社内SE(情シス)のキャリアパスは今後生きてくる

社内SEへの転職

持論としてなんですが、新卒で入社した人を期間限定で社内SE(情報システム部門)に配属するととてもいい教育になると思っているんです。(以下、社内SEは情シスの意味で使っています。)

もちろん自分が現役の社内SEなのでポジショントークということもありますが。

上司や経営陣にも新卒の研修として情シスを経験させてはどうか?と上申したりしているのですがなかなか聞き入れてもらえず、新卒者は簡単な研修が終わるとすぐ儲かっている営業部に引き取られていきます。

もちろん私のこのような意見は、自分自身が中小企業の社内SEということで、中小企業の社内SEだと社内全体を見渡せるので新卒にもオススメしています。

社内SEのキャリアパスといっても会社規模や業界によって違ってきますので、この記事ではまず入社した会社によって違ってくるキャリアパスの違いについてと、中小企業へ新卒入社が入った際に社内SEの経験を得ることで学びたいキャリアパスについての二段構成で書いていきます。

それではいきます。
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中小企業の社内SEのキャリアパス

従業員数50~300名程度ですと最大で社内SEのメンバー5名程度で回しているところが多いです。

私の経験だと300名程度のメーカー、100名弱の専門商社、300名程度の専門商社と渡り歩いてきていますが、全て2~3名で回していました。

中小企業の社内SEの場合のキャリアパスは、少ない人数で社内のITに関する仕事を全て行うので業務分担などもありません。業務内容が多岐に渡りますので一通りマスターできるとどこでも行けるようになります。

会社に依存したくないというか、いつでも転職できる状態にしたいという方はオススメです。業務を一通りマスターといっても全ての分野を深くできるようになる必要はないです。

例えば社内のレイアウト変更などで床下のLANケーブルを張り直す場合は業者さんにお願いしますし、拠点が増えたりなどネットの構築に関しても業者さんにお願いします。

社内システムにしてもそれぞれ保守ベンダーがいますので、社内への導入やトラブル対応などが主な仕事内容になります。

というわけで、中小企業の社内SEになった場合、その後のキャリアパスとしては自社内でのキャリアパスを考えると、情報システム部門の部長までしかなく、総務部とか経理部とかの並びでそれ以上はなかなか考えにくいです。

一番アツいポジションはCIOでしょうね。会社のポジションでCIOを置いている会社も今は少ないですがこれから増えていくと思いますし、会社のIT戦略を考える部署のボスになるというのは社内SEとしてとてもいいキャリアパスになるかと思います。

CIO以外だと、あなたがもし社長になりたいとか、偉くなりたいと考えているのであれば中小企業の社内SEのキャリアパスは考えないほうがいいでしょう。

その代わり一通り業務を覚えればそれ以上知識をつける必要はあまりないのでのんびり暮らしていくのには向いていて、また転職もすぐにできますので、仕事以外の時間を大切にしたい人にはおすすめです。

大会社の社内SEのキャリアパス

中小企業以上の社内SEになると企画系と保守系など業務が分野ごとに分かれます。会社によっては自社の社員は企画系のみで、保守系はグループ会社の人だったり外注さんだったりします。

大企業にもなると文字通りシステムを作成する側のSEも抱えていることもあり、がっつり社内のアプリケーションやシステムを開発していたりするので、技術者気質のある人は大会社の社内SEのキャリアパスもアリだと思います。

そうやって大企業の社内SEに転職するかというと多くの場合はIT企業の技術者がユーザー側に回りたいと希望して転職する場合が多いです。ですので未経験の人が大企業の社内SEを目指すのは難しいです。

社内SE以外のキャリアパス

社内SEから違う職種でのキャリアパスを考えた場合、今までの社内SEの経験を生かしてITコンサルタントが一番考えやすいです。

自分自身が社内SEとしての知見を活かし、業務効率化や売上が上がった方法などを体系化して元々いた業界だけでなく、他の業界でも活かせるノウハウはあるかと思いますので、とてもありだと思います。

もし社内SEだけでは心もとないということであれば、中小企業診断士などの資格を取れば無敵だと思います。この場合はITコンサルタントではなくITに強い経営コンサルタントとして活躍できると思います。

さて、ここまでどのような会社に勤めるかで社内SEとしてのキャリアパスが変わってくることを説明してきました。

私の経験上、中小企業の社内SEとしか知りませんが、大企業の社内SEとも付き合いはありますのでポジショントークとして言っているのではなく、社内SEになるのであれば中小企業の社内SE一択です。

社内SEのキャリアパスとしてどうして中小企業の社内SEがいいか、これからその理由を説明していきます。

私の主張:入社後半年でも社内SEに配属すべき

その前に少し脱線します。多くの企業では新卒が入社後、長ければ半年くらい新入社員研修を行います。

研修内容は、ビジネスマナーの研修や、自社の商品についての研修、英語や会計の研修など多岐に渡ります。

多くのパターンとして、総務や人事、経理、法務などバックオフィスと呼ばれる、営業部門に対して間接的にサポートする部門の研修を受けてから営業部門に本配属されます。

社内SEもバックオフィスにあたり社内システムの使い方など研修を行うのですが、ユーザーとして利用するための研修を行うだけですので、私が提案しているのは、半年でもいいので実際に社内SEの業務をやらせてみてはどうかという内容です。

会社全体の仕組みがわかる

というのも、今の時代どの部署の情報も全部電子化されています。社内のスケジューラやファイルサーバ、メールシステムなど全社員が使っていますので、全社員から問合せを受けます。小さい会社だと全員の名前を短期間に覚えられます。

もちろん名前を覚えるのが目的ではなく、誰が何のシステムを使っていて、何に困っているのかなど、全社的な情報の流れ俯瞰してみることができます

ビジネスの流れがわかる

また、問合せをしてくるユーザーは、社長や、部長、新入社員、トップ営業マン、窓際族社員など満遍なく全社員の人となりを知ることができます。言葉の使い方である程度見えてくるものがあります。

もし本配属先として営業部門に行くことが決まっている場合、客観的にその部門を見ることができますし、他部門からどう見られているかもわかります。

誰が仕事を取ってきて、仕事を請けた場合のリスクはどう担保されていて、売上処理はどういう経路で売上として基幹システムにデータ入力されるのかなど、営業現場の担当者にいきなり配属されてしまうと、大きな仕事の流れを理解しないまま実務を担当することになります。

営業に異動した時に根回しの手順がわかる

実際に本配属先として営業に異動した後も、例えばお客様から違う部門の商品を紹介してほしいという要望があった場合に、社内SE時代に他部門との交流があるのでスムーズに別の担当に引き継ぐことができるようになります。

また、大きな仕事を取ってきた場合に、社内で決裁を取る必要も出てくるのですが、社内SE時代にどういう流れで処理されるかがわかっていので、混乱することなく業務を回すことができます。

今後はどの職種もITの知見が必須

というわけで、例えとして新入社員の研修として社内SEをさせるべきといった内容で説明してきた通り、営業部門に配属された時の振る舞いについてだけでなく、バックオフィス部門に本配属されたとしても、今後ITの知識は必須となります。

社内SEの経験があるかないかで業務の可能性が広がりますので、これから活躍するビジネスパーソンには持たせておいたほうがよいと考える経営者も多くなると思います。

社内SE(情シス)のキャリアパスまとめ

社内SEのキャリアパスとして、まず会社の規模によってキャリアパスが変わってくるという話と、新卒時のキャリアパスとして社内SEはどうかという記事を書きました。もちろん新卒に限った話ではなくて、現在違う職種に携わっていて、今後のキャリアの幅を持たすために社内SEへの転職を目指すのは世の中の流れ的に大正解です。

とはいえ、今の仕事も忙しくそのうち検討しようかなと思っていたり、実際に転職活動をして社内SEになったとしても、その職場が自分に合うかどうかわからないといった不安も出てくると思います。

結局、人生を自分の手で掴むか、現状の流れに身を任せるのかは本人次第と思われがちなのですが、ここで正しい選択ができる人は他人にアドバイスを求めることができる人です。

今のうちに転職エージェントで相談をしておこう

家族や仲のいい友人に相談してもリスクのあることに対しては否定的な回答になってしまいがちです。失敗してほしくないと思っていますからね。

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