中小企業が在宅勤務に踏み切ったらどうなるかという記事を書いていきたいと思います。
というのも弊社では急きょ全社員在宅勤務が開始になり、原則出社禁止になりました。まずは2週間という期限がありますが当面続きそうです。
私の情報網の範囲だと、大手なら実施していますが、中小企業で在宅勤務の話はあまり聞かない中、弊社の経営陣はよく判断したと感動しています。
従業員の命を大切にという意図で実施されているわけですが、売上が立たないと命が失われるわけで、また、社内のIT環境が整ってないとなかなか在宅勤務の実施に踏み込めないと思います。
というわけで、とりあえず在宅勤務をやってみたらどうなるかを書いていきたいと思います。
中小企業が在宅勤務を実施して困っていること
ここで弊社のスペックを書きます。弊社設立40周年くらいの昔ながらの会社で、社員数200名程度、本社は東京(日本橋)です。
業種は卸で、IT企業ではありません。納品はメーカーから直接お客様にお送りするので基本的に在庫もありません。
IT環境については、外勤と内勤の割合が7:3くらいで、外勤はB5ノート、内勤はA4ノートサイズのPCを貸与しています。
B5ノートからは社外からVPN接続を通して社内システムにはアクセスできる環境は整っていますが、A4ノートにはそのような設定はしておらず、在宅勤務開始する前に急ぎで手分けして設定を行いました。
なので、とりあえず社外から普段使っているポータルサイトやファイルサーバ、ERPなどは使用できますので、処理速度が遅いなどありますが、なんとかできています。
なにより一番活躍しているのはTeamsです。弊社ではOffice365を導入しておりまして、いつの間にか勝手に社員のPCにインストールされていたのを放置していたのですが、それがよかった。
ご存じない方に軽く説明するとTeamsとはコミュニケーションツールで、チャットとかWeb会議とかできるサービスです。
とりあえず現状の運用としては、部署ごとに自由にチームを作ってもらい、それぞれ工夫して業務報告などに使ってもらっています。(利用部門に丸投げ)
Teamsのチームをむやみやたらと作られるのはどうなのかという議論も出たのですが、エビデンスとして残る(ログが取れる)ことと、緊急事態ということでフリーにしておき、在宅勤務が解除になったタイミングで改めて管理方法を考えようということになりました。
Teams自体はそれぞれのPCにインストールされているものの、あまりに見切り発車で、そもそもTeamsとは何かの説明もしないまま、使ってくださいとアナウンスを行った状態なので、来週のどこかでTeamsを使ったWebセミナーを行う予定です。
Teamsの話に脱線してしましたが、在宅勤務によって中小企業の私達の日常業務の中で確実にできないことは、ざっとこんな感じです。
・注文書などの印刷(自宅での印刷禁止)
・電子捺印(仕組みがない)
・固定電話対応(携帯に転送していない)
・FAX(ファイルサーバに保存されない)
・郵便(どうしようもない)
今現在は上記の対応するために、最低人数が出社しています。
中小企業が在宅勤務を実施して良かったこと
なにより上記の問題点が洗い出せて、それぞれ電子化案が進んでいることです。
弊社設立40周年くらいなので、今まで昔ながらのやり方を変えることができませんでした。例えばFAXの電子化や電子捺印なども、仕事の仕方を変えることに反対意見が相次ぎ、頓挫してしまっていました。
なんでもそうですが、今までできていることを変える必要なくない?っていう意見に何度もぶち当たってきました。
それが、この状況で一変したわけです。今なら変化に対応する土壌ができてきています。
このタイミングで変えたいことを一挙に変えることができそうです。
中小企業が在宅勤務を解除した後のこと
全社員在宅勤務が解除となり、皆が出勤するようになった後のことを考えると、もし在宅勤務中でも業務が回るようになっていれば、出勤するかどうか選べる余地が出てくると思います。
逆に、完全に準備不足のまま在宅勤務を強行してしまうと、家にいても何もできないことになってしまいます。
そのまま、在宅勤務が明けると、「やっぱり在宅勤務ってうちみたいな中小企業では難しいよね」という感想を持ってしまい、この経験によって今後新たに在宅勤務を実施することが難しくなると思います。
ですので、なんとか一定の効果があったというところまで社内SEとしては持っていく必要があります。
中小企業の在宅勤務終了後のメリット
ここからは想像なのですが、これくらいのメリットがあるのではと考えます。
・家賃が減らせそう
・従業員の生活スタイルが変わる
・東京オリンピックのときも大丈夫
・採用面で他社との差別化ができる
まずは、常時出社する人数が減る。年末年始や、4/1など特別な日は全社員集合する場合はどこか会場を借りる。
通勤を第一に考えなくてもよくなるので、都内に週5で通うことを前提にしなくてよくなるかもしれません。山梨や群馬から週1、2回通うスタイルもアリだと思います。
また、 実施されれば東京オリンピック時の混雑緩和にも繋がりますし、地味に一番大きいのは採用面かもしれません。
新卒は特に、入社する会社が在宅勤務を実施したかどうかを見て判断すると思います。
大袈裟に言うと、有事の際に命を大事にしてくれるかどうかにも繋がりますので、これは高ポイントでしょう。
中小企業の在宅勤務まとめ
というわけで、実際に私が務めている中小企業の在宅勤務の実態を紹介しながら、メリットが多いという話をしてきました。
今回書きませんでしたが他にももちろん課題もあり、例えばPC管理についても再考の余地があるなと感じています。
前回の記事(1人情シスのためのPC管理)でご紹介したとおり、弊社で使用しているPCはレンタルをしていて、故障時に一旦クローン機を事務所に送ってもらい、セットアップしてユーザと交換していますが、そんなまどろっこしいことをせず、レンタル業者とユーザで直接やり取りをして貰う仕組みが作れたらとても楽になりますね。
そんなこんなで、色んな事でとても刺激を受けている在宅勤務ですが、ぼんやり指示を待って仕事をしているだけだと何も成長しないかもしれないのが、残酷な在宅勤務精度かもしれません。
みんなでこの難局を乗り越えましょう。最後までお読み頂きありがとうございました。
コメント